![]() |
私はこうして、自分の本を作りました |
![]() |
||
人生は人とのすれ違い~ 「気の向くままに」 を出版された |
||||
西川 憲治(丸坪 憲)さん (平成22年出版) | ||||
![]() |
||||
この年になったら、就活や婚活もできませんし、ただいたずらに時を過ごすばかりではなく、人生の「終活記録」として、なにか書き置くことを考えたんです。ただ、書けること、書けないことがありますからね。まだ遺書を書くのには早いから、過去を振り返り、残された人生をどう気ままに生きるかということを綴ってみようと思いました。
自分史を書くのに、「生まれてから終局までの記録」ではないものを考えました。自分のルーツをたどり、幼少時代から学生時代、社会人になって仕事を始め、結婚をして家庭を持ち、子育てを終えて定年になり、余生を過ごして病をかかえ、やがて人生の終局を迎える―というただの自叙伝ではなく、自分の今までの人生は何であったのか、これからの余生をどう過ごすか、ということを考えてみようと思いました。
自分と関わりのあった方々のことです。気を遣うことになるわけですが、あくまでもイニシャルを使い、相手に失礼のないように、しかも書けることと書けないことの区別をすることですね。場合によってはご了承を得ることもしました。
文章全体を通して、用語の統一をすること。例えば、文体が「ですます調」になったり「である調」になったりしてるのに、読み返した時気付いたんですね。それを統一することです。でも、気にするとキリがありませんので、読んでみてあまり抵抗がなければよし、としないと何も書けませんよ(笑)。
「良くできた」とは自分では言えませんねえ…(苦笑)。ただ、失礼な言い方かもしれませんが、編集部はある程度一つのパターンに当てはめようとしますから、できれば自分で表紙から目次、写真のレイアウトまでしてみた上で、編集部に相談することだと思いますね。できあがってから反省することもありましたが、責任は自分で負えばよいので、これでよかったと思うことでしょうか。
経費のこともありますので、最初は数十冊配布しました。そうしたら、10通のお手紙と数人からのお電話をいただきましてね。たとえば「少し開いたら、吸い込まれるように読んでしまいました」とか、「いつも机上に置いて、気の付いた時、開いて読み、忘れかけたことをふと気付かせてくれる大切な本」とか、「書かれた文章にふれると何か身近に感じ、不思議な気持ちになりました」とか…。同世代の方からの共感をいただいたことは、何よりも嬉しいことですね。普段はあまりお会いしたことのない方からも、書籍を通して私とご縁ができたように感じるというご感想もいただきました。一冊書き終えるともう、次のことを考えてしまいますが、特に決めている題材はありません。でも、なぜか心が騒ぐんです。
|
![]() |
![]() |
私はこうして、自分の本を作りました |
![]() |
||
「古希光陰」を出版された |
||||
岡 忠雄さん (平成20年出版) | ||||
![]() |
||||
最初から本にしようと思ってたわけじゃないんだけど、同窓会から頼まれて書いた文章や、昭和60年代から結構長い間いろいろ書きためていて…。定年退職すると、これまでの仕事のつながりとはまったく違う友人ができるでしょう?みんながどんな人で、どんな生き方で、どんな考え方を持ってるのかってことがわからない。だから、自分のことを知ってもらうための本かな、これは。あと、「表紙にするにはこれ!」といういい絵が描けたのも、出版のきっかけのひとつです。
読みやすいように字を大きくすること。この本を読む人はみんな歳だから(笑)、これは大好評でした。あとは、だらだらした感じにならないよう区切りの余白を作り、そこに自筆の絵を入れてアクセントにしました。こだわりはその絵をフルカラーで入れたこと。
やはり、金額は気になりました。でも思ったよりページ数を抑えた形で見積もりをしてくれて。あと100部から200部は作らないといけないんだろうと思ってたら、20部からでも作れると言われて…。結局50部作りました。妻も「せっかくの機会だから」と勧めてくれました。
特にないです。ワープロデータの変換なども編集部にお任せで。4カ月くらいでできたかな。見出し(目次)を思いつくのがちょっと大変だったね。いい見出しを思いつくと、どんどん中身も出てきて書けるんだよね。でも、「古希光陰」というタイトルは5日間寝ないで考えましたよ。サブタイトルの「昭和で50年、平成で20年。」を考えついた時は嬉しかったね。ちょうど70歳だったからきりがいい、これこれ!って…。
思っていたより綺麗な本ができて、びっくり。絵も写真もカラーで綺麗だし、写真の加工も編集部が頑張ってやってくださいました。60歳からできた新しい友人へこの本を贈ることで、より親密になれましたし、中学・高校時代の古い友人―忙しさにかまけて年賀状のやり取りくらいしかしていなかった友人は、みな昔を思い出してくれて。「また会おう」と連絡をくれて。旧交を温めるきっかけになりました。実名も出してるから内心「ヤバイかな~」と思ってたんですが、逆に喜んでくれてホッとしました。「俺の名前が出てる」って。あんなに喜んでくれるならもっと大勢出してもよかったかなあ(笑)。
次は「昭和で50年、平成で50年。」… 配る人がいないか(笑)。そうですね、出すとしたら書きためている旅行記かな?
|
![]() |
![]() |
私はこうして、自分の本を作りました |
![]() |
||
「旅の思い出 クーデンホーフ光子を訪ねて」 を出版された |
||||
岡村 富美子さん (平成20年出版) | ||||
![]() |
||||
この本は、クーデンホーフ光子の居城「ロンスペルグ城」の修復プロジェクトの一環として、寄付金付きの旅行を企画し、賛同してくれる皆さんをお連れした旅の思い出を書き記したものですが、旅行中は本にするなんてまったく思ってなかったんです。旅行が終了してからですね。同行して下さったみなさんへの感謝と修復事業の報告をかねて本にまとめよう、ということになったのは…。国語力がないんで書けるかどうか心配だったんですが、知人からも「日記形式にすれば大丈夫。修正(編集)してくれる人もいるから」と言われて。
旅行記ですから、やはり写真をたくさん載せたかった。でも、全部カラーで載せようと思うと、金額がかかってしまうんですよね。そうしたら、カラー写真は前半にまとめて載せるようにすればコストが抑えられるとか、本の内容も「きちんと時系列にして、書いた文章の中から見出しに使えるような良い言葉を見つけて」とか、いろいろなアドバイスを編集部の方からいただきました。表紙の写真は、絶対に大きく使いたかったもの。タイトルの文字のデザインも気にいってます。
なかったです、なにも。楽観的な性格だから(笑)。編集部の方はプロだから、ほんとに細かいところまで見てくださるし、なんでも対応してくださる。とにかく信じて、すべてお任せ(笑)。
文章を書くこと自体が苦労といえば、苦労。最初は編集部の方からも「起承転結がなくて読みにくい」とか、辛口なご指摘をいただいたんですが、アドバイスに従って直していくうちに、「どんどんよくなっていきますね!」と言われました。
200冊作って、旅行に同行して下さった方へ配りました。みんなに支えられてここまで来た…という感謝の思いを込めて。みなさんから「当時のことを思い出して、また旅行に行った気分になった」と言われましたね。あと、配った友人のお母様から「自分の友達にも配りたい」というお申し出をいただいたり、全然知らない方から「クーデンホーフ光子に関心を持ちネットで調べていたら、この本の存在を知った。ぜひ読んでみたい」と連絡があったり。びっくりしたし、嬉しかったですね!
実は、中山千夏さんの講演会で「自分史は書きたいことを書けばいい。『自分のことを書くなんておこがましい』というのは違う。自分史を書くことは、その時代背景をも書くことで、それは後世の人の役に立つことでもあるのだから」という言葉を聞いて。ああ、私も自分史を書いてもいいのかな~と。時間がとれたら、結婚後にさせてもらったいろんな活動について書いてみたいです。
|
![]() |
![]() |
私はこうして、自分の本を作りました |
![]() |
|||
絵本「かずくんのおえかきにっき」を出版された |
|||||
磯貝 祥也 さん (平成21年出版) | |||||
![]() |
|||||
和輝(かずき)は絵を描くのが大好きな子で、家で描いたものに加えて、イベントやお絵かき教室などで描いた、なかなかおもしろい絵がたくさんたまっていったんですよ。その絵のひとつひとつに、妻が日付を入れたりメッセージを入れたり、絵について和輝に尋ねた答えを書きこんだりしているのをみて、ああこれが本になったらちょっとした成長記録としてもいいだろうなあ…と。「絵本作ります」の広告も見ていたので、前から気になってたんですよね。
絵をそのまま本にするわけですから、最初は「安っぽいものになっちゃうのかなあ?」と思ったんですが、出来上がりがすごく立派で綺麗でびっくりしました。ただ絵をパシャパシャッて撮影したのをまとめただけのものかと思ってたから…。絵自体のシワなんかも再現されて、味のある仕上がりになったものもありますし。
やはり日付や描いた場所、親子のメッセージが入っている絵を選ぶのがよいと思います。あと、ハードカバーにはこだわりたかった。針金綴じなら多少金額も安くなりますが、仕上がりの良さは、断然ハードカバーの方が上ですね。とにかく品質の良いことにびっくりしました。
両家のじじばばに一冊ずつ渡したんですが、好評でした。孫と一緒に見て「この絵、な~に?」とか聞いてて、楽しそうにコミュニケーション取ってます。よい孝行になったかな、と。和輝のお友達のお母さんたちも、本を見て「すごいね!」とびっくりしてたみたい。え?和輝本人?う~ん、自分の描いた絵だってこともあんまりよくわかってないかなあ?だって「この絵、なんの絵?」って、毎回聞くたびに答えが違いますしね(笑)。でも、今度は幼稚園卒園のころに、また記念で出版できたらいいですね。成長記録としてね。じじばばに軍資金を貯めといてもらわなきゃ(笑)。
|
![]() |